子どもの急な発熱に備えて、エンジニアが日頃からしておくこと
「お子さんが38度の熱を出しています。お迎えをお願いします」——保育園からのこの電話は、だいたい一番忙しい日にかかってきます。
小さな子どもは一年を通して何度も体調を崩します。特に入園して最初の1〜2年は、呼び出しや看病で休む日が想像以上に多くなりがちです。急に抜けることそのものは避けられないので、大切なのはいつ抜けても仕事が止まらない状態を日頃からつくっておくことです。
作業は「途中で渡せる単位」で進める
急に抜けたときに一番困るのは、自分の手元にしかない作業が止まってしまうことです。
- プルリクエストは小さく出す。 1日分の作業を1つの大きなプルリクエストにせず、半日単位で区切って出しておくと、残りを他の人に引き継ぎやすくなります。
- 作業ブランチはこまめに push する。 ローカルにしかないコードは、休んでいる間は誰にも触れません。WIP でも push しておけば、必要なときにチームが続きを見られます。
- チケットに「いまどこまで進んでいるか」を書く。 作業の区切りごとに1〜2行コメントを残しておくだけで、引き継ぎの説明がほぼ不要になります。
「自分しか知らないこと」を減らす
特定のシステムやリリース手順を自分しか知らない状態は、休むときの最大のリスクです。
- 手順書や README は、作業したついでに更新する
- デプロイやリリースの手順は、可能な限りスクリプトや CI に寄せる
- 担当機能のレビューを、意識して別のメンバーにも依頼する
「自分がいないと回らない」状態を減らすことは、休みやすくなるだけでなく、チーム全体の生産性向上にもつながります。
締め切りにはバッファを持たせる
見積もりを出すときは、子どもの体調不良で1〜2日抜ける可能性を最初から織り込んでおきましょう。
特に冬場や、入園・進級直後は体調を崩しやすい時期です。この時期に重要なリリースが重なりそうなら、早めにチームに相談しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
チームに事情を共有しておく
小さい子どもがいて急に抜ける可能性があることは、普段から上司やチームに伝えておくと安心です。
- 事前に知っていれば、チームも作業の割り振りで配慮しやすくなる
- 「抜けるときはこうする」という連絡の流れを決めておける
- 自分自身も、抜けるときの心理的なハードルが下がる
Slack などのステータスに「お迎え対応中」「看病のため不在」といったテンプレートを登録しておくと、抜けるときの連絡も一瞬で済みます。
家庭側の段取りも決めておく
仕事の備えと同じくらい大切なのが、家庭内の段取りです。
| 決めておくこと | 例 |
|---|---|
| お迎えに行く順番 | 午前はパパ、午後はママが優先して対応する |
| 翌日以降の看病の分担 | 1日目はパパ、2日目はママが休む |
| 病児保育・ファミリーサポートの登録 | 事前登録が必要な施設が多いので、元気なうちに済ませる |
| かかりつけの小児科 | 診療時間とネット予約の方法を夫婦で共有する |
病児保育は、利用する前に登録や面談が必要なことが多く、熱が出てから探しても間に合わないケースがあります。住んでいる自治体の制度を、早めに調べておくのがおすすめです。
在宅勤務の日の看病は「無理をしない」
在宅勤務ができる職場でも、熱のある子どもを見ながら通常どおり働くのは現実的ではありません。
- 看病の日は、無理に通常業務をこなそうとしない
- どうしても必要な対応だけ、子どもが寝ている間に済ませる
- 休暇制度(子の看護等休暇など)が使えるなら、遠慮せずに使う
子どもの看護のための休暇は、育児・介護休業法で定められた制度です。勤務先の就業規則で、取得できる日数や有給・無給の扱いを一度確認しておきましょう。
まとめ
急な呼び出しに備えるために、日頃からできることは次のとおりです。
- 作業を小さく区切り、こまめに push とメモを残す
- 自分しか知らないことを減らし、手順を仕組み化する
- 締め切りにバッファを持たせ、チームに事情を共有しておく
- 家庭内の分担と病児保育の登録を、元気なうちに済ませる
備えがあれば、呼び出しの電話が鳴ったときも、落ち着いてお迎えに向かえます。